試用期間は会社が従業員の適性を判断するもので、試用期間後に雇用を継続するかどうかは会社が自由に判断してよいと考えている社長は多いのではないであろうか。
しかしながら過去の裁判例をみてみると決してそのように考えてはいけない事例が数多くあることに驚くのではないであろうか。
例えば、裁判例には無断欠勤1日、虚偽の生理休暇申請などを理由に試用期間をえて雇用の継続を拒否したところ、それが無効であると判断されたものや、社会保険労務士法人において試用期間中の従業員が顧客の意向を確認もせず雇用保険の手続きをしたことから雇用の継続を拒否したところ、これが無効とされ法人に300万円以上の支払と雇用の継続を命じたというものがあります。
以上からわかる通り、試用期間だからといって、単に会社が能力不足だから雇用しない、会社に対する忠誠心が足りないから雇用しないということは通用せず、会社として当該従業員が会社において適切に働けるようにするための指導等をしたのかという点が厳格に問われることになるようである。
そして、雇い止めが無効となった場合にはその争っていた間においては無勤状態においても会社は遡って給料を払わなければならないことになり会社にとっての損害は相当大きいものとなってしまう。
従って、安易に試用期間だからという理由で従業員を採用するべきではないことがお分かりいただけるであろうか。
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