不動産トラブル

不動産売買に際し騒音についての説明義務はあるか

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まず、居住に際し、平穏に生活する権利がまもられるべく、裁判では「騒音や振動が違法となる基準として、「受忍限度」即ち、侵害行為の態様、侵害の程度、被侵害利益の性質と内容、地域環境、侵害行為の開始その後の継続の経過及び状況その間にとられた被害の防止に関する措置の有無及びその内容・効果等の諸般の事情を総合的に考察して被害が一般社会生活上受忍すべき程度を超えるものかどうかによって違法性を決すべきである」としています。以下、過去の裁判例を記していきます。

➀在日米軍基地から離発着する航空機の航路直下にある土地建物を売却するに際しては所在地の航空機騒音を説明する義務があったかどうかについて、通常、航空機騒音は買主が事前に照査し現地を確認する過程で当然気づくべき事柄であって、説明義務はないとされた。

②区分所有ビルの一階で飲食店を経営していましたが、地下のライブハウスの騒音と振動によって売り上げが減少し、閉店することになったとしてライブハウスの賃借人と賃貸人を訴えたという事案で、裁判では「騒音等について東京都の条例をもちだし条例の基準を大幅にこえており、心身に関わる苦情が発生して当然というべきものであり、受忍限度をこえているとして違法である」と判断しました。なお、本件で仮に仲介業者や売主の説明義務があるかについて考察すると、一般にライブハウスによる音量は外部に漏れ出ているもので、現地を調査等していれば容易にわかる事実であるので、売主や仲介業者には説明義務があるとされたであろう。

③住宅を購入したところ隣接地での製菓工場があり、騒音や振動が気になって落ち着いて生活を送ることができず、売主に損害賠償を請求したという事案で、裁判では「振動が大阪府公害防止条例の定める排出基準内であり、騒音については基準を超過しているがさほど大きいものではなく、時間帯が平日の昼間で遅くとも午後五時頃までであって他の近隣住民から苦情が入っていないことを考えると住宅として通常有するべき品質に欠けることはない」として損害賠償請求は認められなかった。

④交通量の多い道路に面する建物を購入したが、夜間道路を通行する自動車の振動が激しく、安眠することができないことを損害賠償の対象とした事案で、裁判では「振動レベルが65㏈を超える場合には、その振動は安眠を妨げる可能性が高いものと認められ、本件では調査機関である7日間のうち、3日について、65㏈を超える振動が夜間だけで10回以上発生していることが認められ、これは一般人を基準にしても受忍限度を超えた状態というべきである」として損害賠償の対象となるとした。

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