夫婦・家族関係

不貞の証明方法②

[vkExUnit_ad area=before]

ホテルや自宅等の密室内で性交渉そのものを撮影するなどして不貞の直接の証拠を獲得することは難しいので、通常は他の証拠から性交渉があったことを立証していくこととなる。そして以下では、二人が性交渉をもったことを推認させるメール等による立証方法について述べたい。

➀不貞が推認されて認定された事例

(ⅰ)メールのやり取りに肉体的関係を推認させるワード等はなかったが、やり取りの内容から相当深い関係にあったことが推認され、旅行に行くことを隠して旅行に行ったこと、旅行先のホテルには同室で宿泊したことから、少なくとも旅行において不貞行為があったことが認定された。

(ⅱ)メールの内容にて「結婚とか将来のこときちんと会って伝えたいと思ってるから今度時間をつくって(ハート)(ハート)」「いっぱいイチャイチャ(ハート)(ハート)
したい。できれば会った瞬間から抱きしめたい」などのメールの内容から不貞行為があったことを認定した。

(ⅲ)メールの内容からホテルにいったことが推認されること、「愛してる〇〇と一緒にいたい」などの内容から不貞行為があったことを認定した。

②不貞行為があったとまでは認定されなかった事例

妻が見つけた手紙に「to○○」「ずっと愛してる」「カギ、お願い」などと書かれていたところ原告は本件手紙からは二人が夜中まで二人だけで一緒に過ごしたものと考えるほかなく、その記載内容に照らしても二人が飲食店の経営者と客以上の関係があったと解釈できると主張したが裁判所は、女性が客に対するサービスとして書いたものにすぎないとする被告側の主張を不合理として排斥することまではできず、手紙の記載内容から肉体関係をもったとまでは認定することはできないとした。

以上を要約すると、裁判所は、メール等の内容から肉体関係をもったと認定するには、メールの内容、両者間の関係性、それまでの経緯等を踏まえ、流石に状況から判断して肉体関係をもっていないという主張はあまりに不合理だよねという程度に至って初めて不貞行為があったと認定しているように感じます。上記不貞行為の認定がなされなかった件においては、客である男性と女性との関係においてあえて過剰な愛情表現を使うことは営業としてよくあることであり、直ちに肉体関係をもったとはいえないという判断が働いたものと思われます。上記の手紙の内容が対等な関係においてなされたものであれば肉体関係をもったと認定された可能性もいあったことと思います。

このサイトをフォローする!

[vkExUnit_ad area=after]
    PAGE TOP